口腔ケアとインフルエンザ予防の関係|研究でわかっていることと毎日のケア
- 2026年11月1日
- 予防歯科
冬に流行しやすいインフルエンザ。手洗い、換気、咳エチケット、予防接種など、さまざまな対策があります。
その一つとして、毎日の「口腔ケア」に関心が集まることがあります。お口の中を清潔に保つことは、虫歯や歯周病、口臭の予防に役立ちます。また、口腔内の細菌やインフルエンザウイルスとの関係についても研究が行われています。
ただし、現時点で、歯磨きや舌磨きだけでインフルエンザの感染を確実に防げると断定することはできません。口腔ケアは、インフルエンザ対策を補う健康習慣の一つとして考え、基本的な感染対策と組み合わせることが大切です。
今回は、口腔ケアとインフルエンザの関係について、研究で示されている範囲を踏まえながら、日常生活で実践できるケア方法をご紹介します。
口腔ケアとインフルエンザの関係
お口の中には、さまざまな細菌が存在しています。歯磨きが不十分な状態が続くと、歯垢(プラーク)が蓄積し、細菌が増えやすくなります。口腔内の衛生状態が悪い場合、虫歯や歯周病、口臭などのリスクが高まることが知られています。
また、一部の口腔内細菌がつくる酵素と、インフルエンザウイルスの感染過程との関連を調べた研究があります。これらの研究では、口腔内細菌がウイルスの働きに影響する可能性が示されていますが、主に実験的な研究や限られた条件での検討も含まれます。
そのため、「口腔内細菌を減らせばインフルエンザを予防できる」と一律に結論づけることはできません。口腔ケアがインフルエンザの発症や重症化にどの程度影響するのかについては、今後さらに研究が必要です。
一方で、口腔ケアによって歯垢や歯石を減らし、口腔内の健康を保つことには、歯科疾患の予防という明確な意義があります。インフルエンザ対策としても、口腔ケアを単独の予防法と考えるのではなく、健康管理の一部として取り入れるとよいでしょう。
特に高齢者の口腔ケアで意識したいこと
高齢者は、加齢や持病、服用薬の影響などにより、唾液が減少したり、歯磨きが難しくなったりすることがあります。また、飲み込む力が低下している場合には、唾液や食べ物が気道に入ることで、誤嚥性肺炎のリスクが高まることがあります。
すべての肺炎を防げるわけではありませんが誤嚥性肺炎の予防においては口腔ケアは重要な役割を果たします。
歯や歯ぐきだけでなく、舌や入れ歯も清潔に保ち、ご本人だけで十分にケアできない場合は、ご家族や介護者がサポートしましょう。むせ、飲み込みにくさ、口腔内の乾燥などがある場合は、歯科医師や歯科衛生士、医療機関に相談することが大切です。
当院は医院から16キロ圏内の訪問診療も行っております。
4. 口腔ケアとあわせて行いたいインフルエンザ対策
インフルエンザの予防には、口腔ケアだけでなく、複数の対策を組み合わせることが重要です。
日常生活では、次の点を意識しましょう。
● 外出後や食事前などに手洗いを行う
● 室内を適切に換気する
● 十分な睡眠とバランスのよい食事を心がける
● 年齢や健康状態などに応じて、インフルエンザワクチンの接種を検討する
● 咳やくしゃみがあるときは、咳エチケットを守る
● 発熱や強い倦怠感などの症状がある場合は、早めに医療機関へ相談する
● 毎日の歯磨きや、必要に応じた舌・入れ歯の清掃を行う
これらは、それぞれ役割や根拠が異なる対策です。口腔ケアを含め、できる対策を継続的に行うことが、健康管理につながります。
