むし歯
むし歯
当院では、むし歯の治療において、MI(ミニマムインターベーション)という考え方を遵守しています。
MIとは、「人体に対する治療を最小限にとどめる」ということです。
むし歯の治療においても、むし歯になった本当に悪い部分のみを削り、歯質の犠牲や神経への刺激を最小限に抑えることが望ましいとされています。
「極力削らない、歯を抜かない」を意識した低侵襲で最小限の治療を念頭に、むし歯についてはそれぞれの進み具合に応じた治療をしております。
1.正確な診査・診断
従来むし歯の検査では、肉眼での検査とレントゲン検査が行われてきました。
当院では拡大鏡を用いて従来では見えなかった細かな部分を診査します。レントゲン検査に関しても、二次元的に見えにくい場合にはCTレントゲン（三次元的なレントゲン検査）を用いて診査を行います。精密な診査無くして、正確な診断と適切な治療はないと考えております。初期むし歯はしっかり検査を行って適切な予防プログラムで管理を行うことで、削らずに済む場合があります。
2.精度の高い治療
最小限の切削に適した器具でむし歯を削除します。むし歯を染め出す液や歯質の硬さを確認する器具を使い、むし歯の取り残しが無いかを確認します。当院ではほとんどすべての治療において、拡大鏡の使用を行っており、より正確にむし歯の部分のみを取り除きます。
皆様が歯科医院で最も嫌いなことの一つに麻酔の注射があると思います。
当院では処置を行う際に可能な限り痛みが出ないように麻酔を行います。
歯科麻酔用電動注射器
（オーラスター）
※従来の麻酔の方法より痛みを感じにくくなりますが症状によっては麻酔が効きにくい場合もあります。
当院の基本的な考え方であるMIという概念の元に治療をするため、できるだけ歯の健康な部分や神経を残して、歯の寿命を長くできるようにという信念を持って、治療方法や治療器具を選択しています。
中でもダイレクトボンディングという、極力むし歯の部分だけを削り、セラミックに近く、審美性の高い樹脂を直接歯に詰めていく優れた治療方法があります。使用する樹脂は、接着力の高い、歯質に類似した性能を持つペーストで、2次的なむし歯の予防になるだけでなく、透明感や光沢があり、審美的にも優れています。直接詰めることで、治療回数も少なくなるというメリットもあります。ダイレクトボンディングは自費診療となります。
C1初期のむし歯
むし歯の菌が作り出す酸によって、歯のエナメル質が溶けはじめた状況です。この状態であれば、削って埋めるという処置を行わず、フッ素塗布などで再石灰化を促すことで、歯の保存ができます。当院では再石灰化の可能性をまず検討しますが、状態により削る必要があると判断した際にも、細かく削ることで出来るだけ歯を残すようにしています。
C2歯の内部まで進行したむし歯
むし歯がエナメル質の内側にある象牙質にまで進行した状態です。再石灰化は期待できません。歯ブラシで触れたり、温かいもしくは冷たい飲み物で歯に痛みを感じます。処置をする際に痛みが出ますので、麻酔の注射をして治療することになります。またむし歯に感染した部分は除去しますので、その後の詰め物、被せ物までの処置が必要です。
C3歯の内部まで進行したむし歯
歯のエナメル質、象牙質を溶かし、歯の奥にある神経、歯髄にまでむし歯が進行した状態です。この状態になると、何をしなくても強い痛みがあります。神経の保護を第一に考えますが、神経全てが細菌に感染している場合は、神経を除去し、内部を無菌化する根管治療して、必要があれば被せ物を入れることになります。
C4歯の根（歯質）が失われた歯
むし歯を放置し、被せ物が取れたままなどで、歯の根の部分だけが残った状態です。この状態では神経を抜いているか死んでいるため、痛みなどの自覚症状がありません。神経の部分は細菌により根の先に膿が溜まり、歯を支える歯槽骨や歯肉にも影響が及びます。根がしっかりしており、保存できそうな場合は再度根の治療を行い、被せ物を入れることで咬み合わせの修復を行いますが、抜歯せざるを得ない可能性があります。